『真夜中独白少女』
腰の辺りまで伸びている髪が夜風に揺れている。
あの日の少年。
目を閉じると、零君の優しげな笑顔が浮かんでくる。
すぐさっきの様に………………浮かんでくる。
私、零君とずっと一緒に居たかっただけなのに。
だから、邪魔な奴を追い払おうとしただけなのに………
私の頬に冷たい雫がこぼれてる。
いつの間にか…………涙流れてる。
指先で涙をふき取ろうとしたけど、次々と涙が出てくる。
………私、もう一度零君に逢いたい。
逢って、もう一度話をしたい。
…………そしたら、きっと私のどこが悪かったのか、きっと分かる。
うん、きっとそうだ。
………………………零君、私のことが見えるかな?
この時の澪は、零一に対する気持ちはまだ本人でも気付いていません。
これからの澪と零一の関係はどうなるのか、河村も不明です(ぇ 2005.9.25 Masanari_Kawamura
月が煌々と照らす草むらに、少女が一人、立っていた。
―――私はいつ出会えるのだろう。
『…………澪ちゃん』
…………たしか、零君……藤崎………零一君………だったっけ
―――パチン!
………………そして、目を閉じると、昔のあのことが、
(見損なったよ、澪ちゃん)
零君の笑顔と、あの言葉が。
あの時、何で零君に頬を叩かれたんだろ?
ない頭を振り絞って考えてみるけど、答えは出てくる気配すらない。
…………あれ?
か……悲しいわけ………じゃ…な、ない……の……に……。
ひとしきり泣いた後。
……………………。
………………でも。
幽霊の私を。
後書き。
第2話開始直前の澪です。